吾妻鏡第十四巻 建久五年(1194)五月小二日壬戌
由比の浦の漁師が、今晩病気でもないのに死にました。しかも心安らかな死顔をしておりました。人々は先を争って見に来ました。きちんと座って手は合唱をして、少しも心や気持ちがゆれ動くような様子はありませんでした。
将軍頼朝様は、その話しを聞いて喜びの余り、梶原三郎兵衛尉景茂に命じて訪ねさせたところ、この男は、普段魚を釣ることを生活の糧にしていました。但し、殺生を生業としてはいるが、そういう時でも南無阿弥陀仏と唱えて、手を抜く事はありませんでした。
褒め称えるお気持があるので、白米を下されて、遺された家族に菩提を弔うようにと、仰せになられましたとさ。
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